2009
12.22

“Killing In The Name”をクリスマスのUKポップチャートのナンバー・ワンに送り込むという、史上かつてないほどの草の根運動に巻き込んでくれたことを、Rage Against the Machineは誇りに思っている。

これは、真の音楽を愛する人々の手によって、真の音楽を愛する人々のために成し遂げられた偉大なる勝利であり、2009年に無政府的なクリスマスの奇跡となった我々の反骨と革命をアンセムの支持してくれた全てのファンと自由の戦士たちに、心から感謝の意を表する。

売れに売れているX Factorのシングルを下した、この驚くべき狂騒による勝利を祝して、我々は公言した通りにUKにてフリー・コンサートを行う予定である。

また、悦ばしいことに今回のキャンペーンを通じてホームレスの家屋を確保する基金のために多くの資金を集めることができた。ホームレスが抱える重大な問題を解決するために、よろこんで寄付しようと思う。

今回の歴史的な狂騒からは多くを教えられたが、最も重要なのは以下の一点につきるだろう。

ごく普通の人々であっても、かたく強い絆を互いに結ぶことによって、すべてを変えることができる。それがポップ・チャートであろうと、この世界であろうと。


–Rage Against The Machine, December 21, 2009

■Rage Against the Machine“Killing In The Name” – 20091217

Rage Against the Machine Official Site

……というわけで、ここ数週間にわたって世間を騒がせていたRATM vs X Factorのクリスマスチャート戦争が、RATMの全面勝利で決着がついたのでした。最初に紹介したライヴ映像は、キャンペーンを支持するために急遽メンバーが再集結して、BBCのラジオ番組に出演した際の映像。実際には音声のみのオンエアだったため、後半の“Fuck you I won’t do what you tell me!”というフレーズをザックが歌ったすぐ後に、放送がブチ切られていました。何はともあれ、この一件の経緯をざっくりと振り返ってみましょう。

クリスマスのUKシングル・チャートでは、2005年から以来過去4年にわたり有名プロデューサーのサイモン・コーウェルが手がける「X Factor」というTV番組から世に出たアーティストが1位を獲得し続けていました。これだけではピンと来ないかと思われますが、サイモン・コーウェルはアメリカでかの有名な「American Idol」に出演し、イギリスでは他にも素人オーディション番組「Britain’s Got Talent」にも辛口審査員として登場。YouTubeで話題になったスーザン・ボイルやポール・ポッツのパフォーマンス映像で、その姿を目にしたことのある方も多いのでは。誤解を怖れずに言えば、一昔前の日本でつんくさんプロデュースのアイドルがずーっと1位を取っていた状況に近いような。ちなみに今年の「X Factor」代表であり、RATMによってロックファンにとってのパブリック・エネミーNo.1にされたJoe McElderryの楽曲はこんなかんじです。これは確かになんというか、歯がどろっと溶けてなくなりそうな……。

■Joe McElderry“The Climb” (live on GMTV)

そんなあまーい事態を憂慮したのが、イギリス在住のジョン・モーターさんとトレイシー・モーターさんという30代半ばの夫婦。彼らは5年連続でコーウェルの刺客がチャートを制するのを阻止するべく、世界最大級のユーザー数を誇るFacebookを通じて、RATMの“Killing In The Name”のDLを呼びかけます。モーター夫妻は昨年もリック・アストリーを1位にしようと試みており、こちらはあえなく失敗に終わっていましたが、今回のキャンペーンは爆発的に拡大。またしても誤解を怖れずに言えば、いつぞやにアニメ好きな方々がオリコントップにお気に入りの作品のテーマソングを送り込むべくシングルのまとめ買いを2chを通じて呼びかけたという状況に近く……はないですね、さすがに。

ともかくこれが多くのメディアで報じられてRATMのメンバーの知るところとなり、遂にはバンドのメンバーが直々に動いて運動を支援。そして12月20日、見事RATMに軍配が上がったわけです。勝因としては、前回のリック・アストリーに比べてバンドとしての知名度が段違いだったことや、FacebookやTwitterなどの熱が世界的にピークを迎えていることなどなど、いろいろと考えられると思いますが、個人的には“Killing In The Name”のメッセージ性が最大のキモだったと信じたい!モーター夫妻の狙いは、決してコーウェルや「X Factor」をネチネチと攻撃することではなく、一方的にチャート1位のヒット曲を押しつけられる現状を、リスナーの力で打破することにあったそうです。つまり、多くのロックファンが発した「Fuck you I won’t do what you tell me!」の一言が、UKのみならず世界に向けて叩きつけられたことに、この事件の意味があると思うのであります!

冒頭でRATMが宣言しているように、この大成功を受けてバンドはイギリスにてかなり大規模な無料ライヴを開催することを決定したそうで、めでたく思わぬタイミングでの再々始動が決定。前回ライヴ活動を再開した際には、結局何一つ新しい楽曲をリリースすることなく、あいまいなまま再び活動を休止してしまいましたが、今回こそはニュー・アルバムなんかにも期待したいっす。

■Rage Against the Machine“Killing in the Name” @ Coachella 07

BBC News – Rage Against the Machine beat X Factor winner in charts
GIGWISE – Rage Against The Machine Release Official Statement About Christmas No.1

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2 comments so far

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  1. オーディション番組やアイドル歌手を全否定するつもりは毛頭ありませんが、ロックファンにとっては久々に胸のすくニュースですね。
    RATMと”Killing In The Name”の持つ影響力の凄まじさを改めて思い知らされました。
    これを機にRATMが本格的に再始動してくれれば、何も言うことはありません。
    実際、チャート云々よりもそちらのほうが遥かに意義がありますよね^^

  2. 壮絶に返信が遅くなりました……。すいません!

    >これを機にRATMが本格的に再始動してくれれば、何も言うことはありません。
    >実際、チャート云々よりもそちらのほうが遥かに意義がありますよね^^

    まさに!2000年代には、結局完全なオリジナル作はリリースされなかったので、
    次の一手をそろそろ出していただきたいですよね。楽しみです。